USER’S VOICE

当社で車両を製造された
お客様の声をご紹介します

当社で検診車を製造された、有限会社コンラッドの佐々木さまにお話を伺いました。

納得できる車両づくりへの
「信頼」があります

有限会社コンラッド 代表取締役社長 佐々木 榮一さま

診療放射線業務支援、検査受託(レントゲン・超音波検査業務等)、企業健康診断支援業務、放射線利用に関する医療技術コンサルタント
http://www.conrad.co.jp/

保有車両(2021年10月時点)
各種検診車10台(胃部・胸部2台/マンモグラフィ4台/婦人科1台/胸部2台/胃部1台)

貴社の事業についてお聞かせください

当社の事業は、X線撮影装置搭載の検診車を医療機関や企業さまへお貸出しすることで、集団検診の実施を支援するものです。車両の貸出しに加え、出張巡回検診時のドライバー手配や、技師など専門の医療スタッフが必要な際の相談にも応じています。

市区町村や企業で実施される健康診断や検診は時期が集中しがちで、その際はX線撮影装置のニーズも高くなりますが、そのピークに合わせて医療機関が撮影装置を保有するのは難しいです。そこで、対応できる検診車をご用意し、医療機関や企業さまが必要な時に出向くことが、スムーズな健康診断や検診につながると考え、2001年に法人を設立しました。

検診車を提供されるにあたり、特に気を遣われていることはありますか

私は診療放射線技師で、元々は病院に勤務していました。その経験からの気づきが、現在の事業の根幹にあります。「医療機関や医療スタッフの方が使いやすい検診車をご提供する」ということを特に心がけています。

「使いやすい検診車」とは、具体的にどのようなものですか

当社では、胃部・胸部検診車、マンモグラフィ検診車、婦人科検診車、胸部検診車、胃部検診車と、さまざまな検診車をご用意しています。お客様が必要なとき、すぐに必要な車両をお貸出しできることが大切です。
そして、検診を実施する側の医療スタッフや、検診を受ける側の受診者にとって「使いやすい検診車」であることも重要です。使っていただく際、気持ちよく、喜んでいただくため、きれいで手入れが行き届いていなければなりません。また、車両ですから、限られたスペースであるというのも大きな課題です。無駄な導線や窮屈さをなるべく取り除き、検診効率が高まる「快適な空間」の提供を心がけています。

東京特殊車体との出会いは、何がきっかけとなったのでしょうか

検診車は、当社の事業そのものです。
当初は、中古の検診車を購入していましたが、故障して検診ができなくなるリスクに加え、技師の視点から感じる使いづらさもあり、次第に自分が納得できる検診車が欲しいと思うようになりました。
そこで、思い切って2004年に、検診車の新造を決めました。そのとき医療装置メーカーから紹介されたのが、東京特殊車体(以降、「東特」と表記)さんとの出会いです。

初めて新造をお願いしたのは、マンモグラフィ検診車でした。当時はまだ、マンモグラフィの集団検診は普及しておらず、検診車自体も全国的に見て少数でした。しかし、国内での乳がん罹患者の増加傾向を見ると、近い将来多くの検診が行われ、同時に検診車のニーズも高まると予測し、新造を決断しました。

初めての新造車両は、どのように実現されたのでしょうか

当時、一部の病院や財団などもマンモグラフィ検診車を造っていましたが、車両中央に撮影装置を搭載するレイアウトでした。しかし、車内での医療スタッフと受診者の動きを考えたとき、撮影装置を車両後部へ設置できれば、待合室と操作室が隣り合うレイアウトになるため検査導線がシンプルになり、作業性も各段に向上すると考えていました。

そこで「撮影装置を車両後部に搭載したい」と東特さんに伝えました。撮影装置は振動に弱く、医療装置メーカーも当初は反対していましたが、東特さんは私の要望を叶えようと懸命にチャレンジし、試行錯誤を繰り返した末、計画から1年後、それまでなかったオリジナルレイアウトの新車を完成させてくれました。
今では、撮影装置が車両後部にあるのが主流となりましたが、東特さんはそのパイオニアです。
とはいえ当時は、車両を新造するのは初めてでしたので、右も左も分からず、数多くのお願いをして東特さんを困らせたかもしれません。

その後の車両新造でも、さらなる「快適な空間」を目指されたのですね

それ以降、東特さんには9台の新造を手掛けていただき、現在10台の検診車があります。
1台目のマンモグラフィ検診車は、正直なところ、設計図を見ても実際にどうなるか理解できずにいましたが、台数を重ねるたび次第にわかるようになりました。東特さんが打合せにCADを持参し、その場ですぐに設計図に反映してくれたこともありました。

車両新造で積み残しとなった課題は、「たたき台」として次の車両へ反映されていく流れが東特さんとの間に生まれ、そのうえでさらに新たな要望を出すと、東特さんはその要望と課題をクリアするため努力してくれます。装置レイアウトだけでなく、什器備品のサイズ・設置場所・向きなど細かい点も要望を出してきましたが、粘り強く検討を重ねてくれました。駐車スペースや取り回しがしやすいよう、車体や車内の導線に配慮をしながら、各所を調整する努力を惜しまず取り組んでくれます。

このような関係が長年続き、偶然の出会いが、今では「まかせて安心」と思える関係になったと思います。私の考えを理解してくれているので、細かく言わなくてもわかってくれる、納得できる車両ができてくる「信頼」があります。東特さんには、要望に応えられる高い設計力と、高い製造技術力があるからです。いろいろなアイデアが形となり、満足度の高い検診車を手にすることができています。

一度造った車両は20年近く使います。決して安い買い物ではないですが、長い期間使うからこそ納得ができる車両でなければなりませんし、お客様に喜んで使っていただけるよう継続的なメンテナンスと設備投資も必要です。今後も東特さんと信頼しあえるチームを組みながら、事業を続けていきたいと思います。